看護師の定年後の働き方と収入|手取りはどう変わる?年金との組み合わせまで解説

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定年を迎えた看護師が最初に直面するのが、収入の変化という現実です。
「働き続けたい気持ちはあるけれど、給与がどのくらい下がるのかが不安」という声は、定年前後の看護師から最もよく聞かれる悩みのひとつです。

定年後の働き方を納得して選ぶためには、まず収入の変化を正直に把握しておくことが欠かせません。

定年後の看護師についての全体像は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

目次

定年後、看護師の収入はどのくらい変わるのか

再雇用(嘱託)を選んだ場合の手取り変化

現在の職場でそのまま再雇用される場合、雇用形態は正社員から嘱託職員または契約社員へと切り替わることがほとんどです。独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によると、60歳直前の給与を100とした場合、再雇用直後の61歳時点の給与水準は平均78.7まで下がるという結果が出ており、おおよそ2割の収入減が一般的な目安となっています。

看護師の場合、定年前のピーク時(50〜54歳)の平均年収は約582万円ですが、60〜64歳になると平均年収は約481万円まで低下します(厚生労働省令和5年賃金構造基本統計調査)。年収ベースで約100万円の差ですが、これは正規雇用を前提とした数字です。再雇用後にパート・嘱託となる場合は、役職手当やボーナスが大幅に減少または廃止されるため、手取り額はさらに下がるケースがほとんどです。

再雇用のメリットは、慣れた職場でそのまま働けること、そして雇用保険・厚生年金への加入が継続できることです。特に厚生年金への加入継続は、65歳以降に受け取れる年金額を増やすという意味で、長期的には大きなメリットになります。

クリニック・訪問看護へ転職した場合の収入相場

定年を機に新しい職場へ転職する場合、収入の目安は勤務先と雇用形態によって大きく異なります。クリニックでのパート勤務であれば時給1,700〜1,800円前後が相場で、週4日・1日6時間勤務の場合、月収はおよそ16〜17万円程度となります。夜勤がなくボーナスも基本的にないため、年収ベースでは現役時代から大幅に下がりますが、体への負担が減る分、長く続けやすい働き方といえます。

訪問看護へ転職した場合は、看護師職種の中でもパート時給が高い傾向にあります。都市部では時給2,000〜2,500円が一般的な相場で、週3日・1日5時間程度の勤務でも月収15〜18万円程度を確保できます。経験豊富なシニア看護師は即戦力として評価されるため、他の職場よりも好条件で採用されるケースも少なくありません。

パート・派遣を選んだ場合の月収目安

体力や家庭の都合に合わせて勤務日数・時間を自分でコントロールしたい場合は、パートや派遣という働き方が選択肢になります。看護師のパート時給は職種・地域によって異なりますが、クリニックで平均1,700〜1,800円、健診センターで1,600〜1,700円、介護施設で1,500〜1,700円程度が目安です。

週3日・1日6時間勤務の場合、月収はおよそ12〜14万円前後となります。年金受給前の60〜64歳の時期にこの水準だと生活費が不足するケースもあるため、貯蓄や退職金との組み合わせを事前に試算しておくことが重要です。一方、65歳以降に年金受給が始まってから「上乗せの収入」として働く場合には、週2〜3日のパート勤務でも十分な生活設計が成り立ちやすくなります。なお、具体的な収入見込みは勤務地・施設規模・個人の経験によって大きく異なるため、求人情報で実際の条件を確認されることをおすすめします。

60〜64歳の「年金空白期間」を乗り越えるお金の考え方

定年後の収入で多くの看護師が最も不安を感じるのが、60歳から65歳までの5年間です。年金の受給開始は原則として65歳からのため、この期間は就労収入が生活の主な支えとなります。退職金や貯蓄で補う方法もありますが、できるだけ収入を確保しながら乗り越えることが、老後の資産を守る上でも賢明な選択です。この5年間を計画的に乗り越えるために知っておきたいお金の知識を整理します。

年金が出るまでの5年間、いくら必要か

まず自分の生活費を把握することが出発点になります。総務省統計局の家計調査報告(令和6年)によると、65歳以上の一人暮らし世帯の月間消費支出は約15万円とされています。60〜64歳でも生活水準はほぼ同等と考えると、5年間で必要な生活費は単純計算で900万円前後になります。これに医療費・交際費・突発的な支出を加えると、就労収入なしで乗り越えるには相当な貯蓄が必要です。

一方、再雇用や再就職で月に20〜25万円程度の収入を確保できれば、5年間の空白期間を貯蓄を大きく崩さずに乗り越えられる計算になります。定年後の収入を「いくらあれば足りるか」という視点で考えると、職場選びの基準も自然と明確になってきます。自分の生活費の実態は、定年前に一度しっかりと家計を見直しておくことをおすすめします。

高年齢雇用継続給付金とは何か・いくらもらえるか

60歳以降に給与が大幅に下がった場合に活用できる制度が、雇用保険の「高年齢雇用継続基本給付金」です。これは、60歳以降の給与が60歳時点の給与と比べて75%未満に低下した場合に、給与の一定割合が支給される給付金で、受給期間は60歳から65歳になる月までです。

受給するためには、雇用保険の被保険者期間が通算5年以上あること、基本手当(失業給付)を受け取っていないこと、という条件を満たす必要があります。長年病院勤務で雇用保険に加入してきた看護師であれば、多くの方がこの条件を満たしています。申請はハローワークを通じて行い、事業主経由での手続きが一般的です。

具体的な受給額のイメージとして、再雇用後の月給が25万円の場合、給付金は月2万5,000円(25万円×10%)となります。年間で30万円の補填となり、定年後の収入減を一定程度カバーする役割を果たします。ただし給付金を受け取ると、在職老齢年金との「併給調整」により年金の一部が支給停止になる場合もあるため、特別支給の老齢厚生年金を受け取っている方は事前に確認が必要です。

給付金の2025年改正で何が変わったか

高年齢雇用継続給付金は、2025年4月以降に重要な制度変更が行われました。2025年4月以降に新たに60歳を迎える方からは、給付率の上限がこれまでの最大15%から最大10%へと縮小されています。さらに、この給付金は段階的に縮小・廃止される方針が決まっており、2030年度に60歳を迎える方からは廃止となる予定です。

この改正は、定年前後の収入設計に直接影響します。2025年以前に60歳を迎えた方は従来の最大15%が適用されますが、これから定年を迎える方は最大10%という前提で収入を試算しておく必要があります。「給付金があるから大丈夫」という感覚に頼りすぎず、再雇用時の賃金交渉や働く日数の見直しによって収入を確保するという発想が、今後はより重要になってきます。

制度の詳細や自分の受給額の見込みについては、最寄りのハローワークまたは社会保険労務士にご相談されることをおすすめします。個人の状況によって受給額や条件が異なるため、事前の確認が大切です。

65歳以降、年金と給与を「両取り」するときの注意点

65歳になって年金受給が始まると、働きながら年金を受け取るという「両取り」の状態になる方が多くなります。看護師の場合、65歳以降もパートや嘱託で働き続けるケースは珍しくなく、収入と年金を上手に組み合わせることが生活設計の鍵になります。ただし、この「両取り」には知っておくべき仕組みがあります。知らずに働き続けると、思いがけず年金が減額されることもあるため、仕組みをしっかり理解しておきましょう。

在職老齢年金とは何か・仕組みをわかりやすく解説

65歳以降に厚生年金に加入しながら働く場合、給与と年金の合計額が一定の基準を超えると、超えた分の半額が老齢厚生年金から差し引かれます。この仕組みを「在職老齢年金」といいます。注意すべき点は、差し引きの対象はあくまで老齢厚生年金のみであり、老齢基礎年金(国民年金部分)は減額の対象にならないという点です。

2025年度の基準額は月51万円に設定されています。つまり、月給と老齢厚生年金の月額を合計した金額が51万円以下であれば、年金は満額受け取ることができます。看護師がパートや週数日勤務で働く場合、月給が20〜25万円程度であれば、よほど厚生年金の受給額が高くない限り、基準額を超えることは少ないでしょう。フルタイムに近い形で再就職した方や、給与水準が高い職場に勤める方は、事前に試算しておくことをおすすめします。

2026年4月の基準額引き上げで何が変わるか

在職老齢年金の基準額は、2026年4月からさらに大きく引き上げられます。2025年度の月51万円から、2026年4月以降は月65万円へと変更される予定です。これにより、これまで年金が一部減額されていた方の中にも、満額受け取れるようになるケースが増えてきます。

具体的なイメージとして、月給40万円・老齢厚生年金月15万円の場合は合計55万円となり、2025年度基準では(55万円-51万円)×1/2=2万円が年金から差し引かれます。しかし2026年4月以降は基準額が65万円に引き上げられるため、同じ条件でも減額なしで受け取れるようになります。この改正は、65歳以降も積極的に働きたいという看護師にとって追い風となる変化です。

看護師が「働き損」になりにくい働き方のパターン

在職老齢年金の仕組みを理解した上で、看護師が65歳以降に「働き損」になりにくい働き方のパターンを整理しておきましょう。まず最も安心なのは、週3日程度のパート勤務で月給を20〜25万円程度に抑える働き方です。この水準であれば、よほど厚生年金の受給額が高くない限り基準額を超えにくく、年金を満額受け取りながら就労収入も得られます。

訪問看護のパートは時給が高い分、勤務日数を週2〜3日に絞っても一定の収入が確保できるため、在職老齢年金との兼ね合いという意味でも合理的な選択肢のひとつです。一方、65歳以降も厚生年金に加入しながら働き続けることには、将来の年金額を増やすという側面もあります。「在職定時改定」の仕組みにより、働いた分だけ翌年以降の年金受給額が少しずつ増えていきます。具体的な金額は個人の年金加入状況によって異なるため、日本年金機構の「ねんきんネット」や年金事務所でご確認されることをおすすめします。

働き方別・手取り総収入のイメージ比較

ここまで収入の変化や給付金・年金の仕組みを個別に解説してきましたが、「結局どの働き方が自分に合っているのか」を判断するには、それぞれの働き方を組み合わせたときの収入全体像を把握することが有効です。以下では、定年後の看護師に多い3つの働き方パターンについて、60〜64歳の年金空白期間と65歳以降の年金受給開始後に分けて、手取り収入のイメージを整理します。あくまで目安としての比較であり、実際の金額は勤務先・地域・個人の年金加入状況によって大きく異なります。詳細は各職場の求人条件や年金事務所でご確認ください。

パターン①:再雇用フルタイム(嘱託・週5日勤務)

同じ病院に嘱託職員として残り、フルタイムに近い形で勤務するパターンです。給与は定年前から約2割減となるケースが多く、月収は25〜28万円程度が目安です。ボーナスが支給される職場もありますが、定年前と比べると大幅に少なくなるケースがほとんどです。

60〜64歳の5年間は、このパターンが3つの中で最も安定した収入を確保できます。厚生年金・健康保険への加入も継続されるため、社会保険の面でも安心感があります。65歳以降は年金受給が始まりますが、給与水準が高めのため在職老齢年金の基準額に近づく可能性があります。2026年4月の基準額引き上げ(月65万円)後は、年金減額のリスクが大幅に低下します。体力的に問題なく、収入をしっかり確保したい方に向いているパターンです。

パターン②:訪問看護パート(週3日・1日5時間程度)

訪問看護ステーションでパートとして週3日働くパターンです。時給2,000〜2,500円(都市部)で1日5時間勤務の場合、月収はおよそ13〜18万円程度が目安となります。ボーナスはほぼありませんが、時給水準が看護師職種の中でも高いため、少ない勤務日数でも一定の収入を確保できます。

60〜64歳の空白期間においては、月収がフルタイムより低くなるため、退職金や貯蓄との組み合わせが必要になることもあります。ただし夜勤がなく、体力的な負担が少ないため、長く続けやすい点が大きなメリットです。65歳以降は年金と合わせることで生活が成り立ちやすくなり、月給が20万円前後であれば在職老齢年金の基準額を超えにくいため、年金を満額受け取りながら働けるケースが多くなります。体力と収入のバランスを重視する方に向いているパターンです。

パターン③:クリニックパート(週3〜4日・日勤のみ)

クリニックでパートとして週3〜4日勤務するパターンです。時給1,700〜1,800円・1日6時間勤務の場合、月収はおよそ12〜17万円程度が目安となります。訪問看護と比べると時給は若干低めですが、診察補助・採血・処置介助など業務内容が比較的安定しており、職場環境になじみやすいという特徴があります。

60〜64歳の空白期間は収入水準が低めになるため、生活費との差額を貯蓄や退職金で補う計画が必要です。ただし、規則的な勤務時間と残業の少なさから、心身のゆとりを保ちながら働けるというメリットがあります。65歳以降は年金との組み合わせで生活が安定しやすく、在職老齢年金の基準額を超えることもほぼないため、年金満額受給と就労収入の両立がしやすいパターンです。生活のリズムを大切にしながら、無理なく長く続けたいという方に向いています。

3つのパターンを比較するとき、「60〜64歳の空白期間をどう乗り越えるか」と「65歳以降の長期的な生活設計」という2つの時間軸で考えることが重要です。どのパターンが正解かは、貯蓄額・家族構成・健康状態・やりがいの重み付けによって人それぞれ異なります。大切なのは、「なんとなく選ぶ」のではなく、自分の生活費と収入の見通しを数字で把握した上で選ぶことです。定年前に一度、自分の年金見込み額をねんきんネットで確認し、退職金・貯蓄と合わせてシミュレーションしておくことを強くおすすめします。

よくある質問(FAQ)

Q1. 定年後に再雇用されると、手取りはどのくらい減りますか?

再雇用後の手取りは職場によって異なりますが、定年前と比べておよそ2〜3割減るケースが一般的です。独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査では、再雇用直後の給与水準は60歳直前を100とした場合に平均78.7まで下がるとされています。役職手当・夜勤手当の減少やボーナスの縮小が主な要因です。ただし看護師は同年代の他職種と比べて給与水準が依然として高めであり、60〜64歳の平均年収は約481万円(厚生労働省令和5年賃金構造基本統計調査)と、一定の水準を維持しています。

Q2. 高年齢雇用継続給付金は必ずもらえますか?

高年齢雇用継続給付金を受け取るには、雇用保険の被保険者期間が通算5年以上あること、60歳以降の給与が60歳時点の75%未満に下がっていること、基本手当(失業給付)を受給していないことという3つの条件を満たす必要があります。長年病院や施設に勤務してきた看護師であれば多くの方が条件を満たしますが、申請はハローワークを通じた手続きが必要で、自動的に支給されるわけではありません。申請を忘れると受け取れないため、定年退職後に早めに確認しておくことをおすすめします。

Q3. 給付金の2025年改正で損をする人はいますか?

2025年4月以降に新たに60歳を迎えた方は、給付率の上限が従来の最大15%から最大10%へと縮小されています。たとえば再雇用後の月給が25万円の場合、従来は最大3万7,500円だった給付金が最大2万5,000円となり、年間で最大15万円の差が生じます。2025年3月末までにすでに60歳を迎えていた方は従来の15%が継続して適用されますが、これから定年を迎える方は給付金の水準が下がる前提で収入計画を立てることが重要です。

Q4. 在職老齢年金で年金が減額されるのはどんなケースですか?

2025年度の基準では、月給と老齢厚生年金月額の合計が月51万円を超えると、超えた分の半額が老齢厚生年金から差し引かれます。たとえば月給35万円・老齢厚生年金月18万円の場合は合計53万円となり、(53万円-51万円)×1/2=1万円が月々差し引かれる計算です。看護師がパートや週3〜4日勤務を選ぶ場合、月給が20〜25万円程度であれば基準額を超えにくく、年金満額受給との両立がしやすくなります。2026年4月以降は基準額が月65万円に引き上げられるため、減額リスクはさらに低下します。

Q5. 65歳以降も厚生年金に加入しながら働くメリットはありますか?

65歳以降も厚生年金に加入しながら働き続けることで、年金額が毎年10月に増額される「在職定時改定」の恩恵を受けられます。働いて保険料を納めた分だけ、翌年以降の年金額が少しずつ増えていく仕組みです。「働くと年金が減る」というイメージを持つ方も多いですが、在職老齢年金の基準額以内で働けば減額はなく、むしろ将来の年金を増やしながら就労収入も得られるという一石二鳥の効果があります。具体的な増額見込みは日本年金機構のねんきんネットで確認できます。

Q6. 定年後のパート勤務で社会保険には加入できますか?

一定の条件を満たせばパートでも社会保険(健康保険・厚生年金)に加入できます。従業員51人以上の事業所では、週20時間以上・月額賃金8.8万円以上・2か月超の雇用見込みといった条件を満たすと加入義務が生じます。なお、2026年10月以降は従業員数の要件が撤廃される予定で、週20時間以上働く短時間労働者は原則として社会保険加入対象となる方向で制度変更が進んでいます。社会保険に加入することで、健康保険の手厚い保障が受けられ、厚生年金の加入継続により将来の年金も増やせるという利点があります。

Q7. 年金受給前の60〜64歳に仕事を辞めた場合、雇用保険はもらえますか?

60〜64歳で退職した場合、一定の条件を満たせば雇用保険の基本手当(失業給付)を受け取ることができます。ただし、60〜64歳で失業給付を受給している期間は、特別支給の老齢厚生年金が全額支給停止となる点に注意が必要です。また、失業給付を受け取ると高年齢雇用継続給付金の受給資格を失うケースもあります。どちらを優先すべきかは個人の状況によって異なるため、退職前にハローワークや社会保険労務士に相談した上で判断することをおすすめします。

Q8. 定年後の収入を増やすために、看護師としてできることはありますか?

定年後の収入水準を高めるために、現役のうちに取り組んでおけることがいくつかあります。まず、訪問看護やケアマネジャーなど需要の高い分野の経験や資格を持っておくと、定年後の採用条件が有利になりやすく、時給交渉の材料にもなります。また、再雇用時の賃金は交渉の余地がある場合も多く、「役割を明確にして提案する」姿勢が給与維持につながることもあります。定年後の収入は働き方だけでなく、定年前の準備によっても大きく変わります。

Q9. 夫の扶養に入りながらパートで働くことはできますか?

60歳以上の場合、夫の健康保険の扶養に入れる年収の上限は180万円未満(60歳未満は130万円未満)となっています。看護師のパート勤務で月収10〜12万円程度に抑えれば、年収を180万円以内に収めることができ、夫の扶養に入ったまま働くことが可能です。ただし、週20時間以上かつ月収8.8万円以上の場合は自分自身が社会保険加入対象になる場合があるため、勤務先の規模と契約条件を確認しておくことが大切です。扶養の範囲で働くべきか、社会保険に加入して将来の年金を増やすべきかは、家庭の状況によって判断が異なります。

Q10. 定年後の収入設計で、最初に何をすればよいですか?

まず取り組むべきことは3つです。第一に、日本年金機構の「ねんきんネット」または毎年届く「ねんきん定期便」で、自分の年金見込み額を確認することです。第二に、現在の月間生活費を洗い出し、定年後に最低限必要な就労収入を把握することです。第三に、職場の継続雇用制度の条件(給与・勤務日数・業務内容)を人事担当者に確認し、再雇用を選ぶか転職を選ぶかの方向性を定めることです。この3つを定年の2〜3年前までに整理しておくことで、慌てることなく自分に合った定年後の働き方を選べるようになります。

まとめ

定年後の看護師にとって、働き方の選択は「どこで働くか」だけでなく「どのくらい手取りになるか」という視点を持つことで、初めて納得のいく決断ができます。この記事では、再雇用・転職・パートそれぞれの収入相場、年金空白期間の乗り越え方、高年齢雇用継続給付金の仕組みと2025年改正の影響、そして65歳以降の在職老齢年金との向き合い方まで、お金の視点から定年後の働き方を整理してきました。

ポイントを振り返ると、再雇用後の給与はおおよそ2割減が目安であること、60〜64歳の5年間は就労収入が生活の主な柱になること、高年齢雇用継続給付金は2025年以降に給付率が縮小されること、65歳以降は年金との組み合わせ方によって手取りが大きく変わること、の4点が特に重要です。

「働き損にならない働き方」を選ぶためには、自分の年金見込み額・生活費・貯蓄残高の3つを数字で把握した上で、職場を選ぶことが何より大切です。制度は複雑に見えますが、一つひとつ整理すれば必ず自分に合った答えが見えてきます。定年前の数年間を使って、お金の面からも働き方の設計を始めてみてください。

看護師の定年後に看護師として働くにあたって、どのような働き先があるかなどを詳しく解説した記事もありますので、あわせてお読みいただくことをおすすめします。

また定年後の看護師についての全体像は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

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