定年後の過ごし方ランキング【男性編】やることがない状態を脱却!充実したセカンドライフを叶える趣味10選

長年勤め上げた会社を離れた瞬間、「さて、明日から何をしよう?」と途方に暮れる男性は少なくありません。
定年後の男性が自由に使える時間は、1日14時間・年365日とすると、65歳からの平均余命(約20年)の間に実に約10万時間にのぼるとされています。
現役時代とは比べものにならないほど長いその時間を、充実したものにできるかどうかが、セカンドライフの豊かさを大きく左右します。
この記事では、調査データをもとに作成した定年後男性に人気の過ごし方ランキングTOP10を詳しく解説するとともに、充実したセカンドライフを送るための実践的なポイントをご紹介します。
男女総合のランキングや定年後の生活全般については、あわせて「定年後の過ごし方ランキング完全版」もご覧ください。

定年後の男性が直面する「やることがない」問題とは?
仕事一筋だった男性ほど陥りやすい「空白の日々」
定年退職を迎えた多くの男性が、退職後まもなく同じ感覚を口にします。 「朝起きたら、何もやることがない」というのが、それです。
定年後のセカンドライフについて具体的なイメージを持てているシニア男性は2割に満たないという調査結果もあります。
仕事に充実感を感じていた人ほど、退職後に無気力状態に陥りやすい傾向があるとされており、これは「燃え尽き症候群(バーンアウト)」の一種とも言われています。
仕事が生活の中心だったからこそ、その仕事がなくなったとき、何から手をつけていいかわからなくなるのです。
居場所・役割・人間関係が一度に消える現実
仕事が消えると、それと同時に複数のものが一気に失われます。
毎日通っていたオフィス、仕事でのポジションや肩書き、日々顔を合わせていた同僚や部下との人間関係。
これらは単なる「仕事関係」ではなく、男性にとって社会とつながるための大切な「居場所」だったわけです。
株式会社メディプラスの調査によると、定年後の60代男性でストレスが低い状態を保っている人は、1か所以上の「心地よい居場所」を確保できていることがわかっています。
しかし、仕事以外に居場所を持っていなかった男性は、退職とともにその唯一の拠り所を失ってしまいます。
家族との生活においても、現役時代とは異なる摩擦が生まれることがあります。
妻には妻なりのルーティンやコミュニティがすでに出来上がっており、急に夫が四六時中家にいるようになることで、双方にストレスが生じるケースも少なくありません。
問題は「やることがない」という事実だけではなく、「自分の居場所がどこにもない」と感じてしまうことにあるのです。
だからこそ、定年前から・あるいは定年直後から、自分なりの「居場所と生きがい」を意識的に作っていくことが重要です。
次の章では、実際に多くの定年後男性が取り組んでいる過ごし方をランキング形式でご紹介します。
出典:
- 東洋経済オンライン「65歳定年後も輝く人とダメになる人の致命的差」(https://toyokeizai.net/articles/-/420381)
- 株式会社メディプラス研究所「ココロの体力測定2017」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000058.000018482.html)
定年後の過ごし方ランキングTOP10【男性編】
定年後の男性がどのような過ごし方を選んでいるかは、各種調査からおおよその傾向が見えてきます。
ソニー生命保険が全国50〜79歳の男女1,000名を対象に実施した「シニアの生活意識調査2024」をはじめ、内閣府や厚生労働省の調査データを参考に、定年後の男性に人気の過ごし方をランキング形式でまとめました。
男性特有のキーワードである「達成感」「社会とのつながり」「自分のペース」という3つの視点から、それぞれの魅力を詳しく解説していきます。
1〜3位:体を動かす・達成感型
第1位 ウォーキング・登山
定年後の男性が最も多く取り組む運動として、ウォーキングは揺るぎない人気を誇っています。
スポーツ庁の調査によると、60〜70代のシニアが「久しぶりに再開した運動」の1位はウォーキングで、全体の約6割を占めています。
特別な道具も費用もかからず、自分のペースで始められる点が、退職直後の男性にも取り組みやすい理由の一つです。
ウォーキングは有酸素運動として生活習慣病の予防や認知症リスクの低減にも効果があるとされており、公益財団法人長寿科学振興財団によると、1日8,000歩・速歩き20分以上を継続することでサルコペニア(筋力低下)の予防にもつながると報告されています。
さらに物足りなさを感じてきたら、登山への移行もおすすめです。
山頂を踏んだ瞬間の達成感は格別で、仕事で感じていた「やり遂げた感覚」を自然の中で再体験できます。
低山から始めて少しずつレベルを上げていくプロセスは、目標を持ちたい男性の心理にも合っています。
第2位 旅行・温泉巡り
ソニー生命「シニアの生活意識調査2024」でも、シニア全体の楽しみの1位に輝いたのが旅行です。
男性の44.4%が「現在の楽しみ」として旅行を挙げており、定年後に人気が高まっている過ごし方の代表格と言えます。
現役時代は休暇が取りにくく、旅行のタイミングが繁忙期と重なりがちでしたが、定年後は閑散期を選んでゆっくり旅できるのが大きなメリットです。
各鉄道会社や旅行会社が提供するシニア向け割引も充実しており、費用を抑えながら質の高い旅を楽しめます。
温泉地をめぐる国内旅行は体への負担も少なく、健康維持の観点からも支持されています。
第3位 ゴルフ
現役時代に「接待ゴルフ」で嫌々続けていた方も、定年後は純粋に楽しむゴルフに生まれ変わります。
スコアの改善という明確な目標が生まれやすく、上達するごとに達成感を得られる点が男性に好まれる理由です。
プレー仲間とのコミュニケーションが自然と生まれるため、社会的なつながりを維持する場としても機能します。
年齢による体力差が出にくいスポーツでもあるため、60代・70代になっても長く続けられるのも魅力です。
4〜7位:社会とつながる・生きがい型
第4位 再就職・嘱託・シニア向け求人
定年後も何らかの形で働き続けたいと考える男性は少なくありません。
電通総研の調査によると、男性60代の約72%が定年後も仕事を継続しており、そのうち半数以上が元の会社での再雇用契約を選んでいます。
「収入が欲しい」という理由はもちろんありますが、それと同時に「社会から必要とされている実感」「規則正しい生活リズム」を維持できる点も、働き続けることの大きな意義です。
体力や時間に合わせて短時間勤務やアルバイト形式を選べるシニア向け求人も増えており、無理のない範囲で社会参加できる選択肢が広がっています。
第5位 ボランティア・地域活動
「誰かの役に立ちたい」という欲求は、仕事を離れた男性がとりわけ強く感じる感情の一つです。
地域の子ども食堂の手伝い、防災訓練の運営、公園清掃など、身近なところからでも始められるボランティア活動は、地域コミュニティとのつながりを生み出します。
厚生労働省も、高齢者が社会参加を続けることは身体的・精神的な生活機能の維持に直結すると指摘しており、ボランティアへの参加は健康面でも意義があります。
報酬がない分、純粋に「役に立てた」という満足感が得やすいのも、生きがいとして長続きする理由です。
第6位 家庭菜園
土を耕し、種をまき、収穫する。このサイクルには、仕事でいう「プロジェクトを進めてゴールにたどり着く」感覚に似た充実感があります。
家庭菜園は男性に人気の趣味の上位に常にランクインしており、自分で育てた野菜を家族に食べてもらえるという喜びも加わります。
初期費用が比較的安く、自宅の庭がなくても市民農園などを利用することで気軽に始められます。
毎日の水やりや手入れが生活リズムをつくるルーティンになる点も、定年後の生活に向いています。
第7位 DIY・ものづくり
棚を作る、壁を塗り替える、壊れた家具を修理する。
こうした作業に熱中する定年後男性は多く、三井住友銀行の調査でも「インドア系趣味でDIYに打ち込みたい」という声が寄せられています。
DIYの魅力は、手を動かすことで生まれる達成感と、完成品が日常生活の中に残り続けることです。
YouTubeをはじめとした動画コンテンツで手軽に技術を習得できる環境が整っており、50代・60代から始めた方でも着実にスキルアップできます。
家族のために何かを作るという動機が、家庭内での新しい役割を生み出すことにもなります。
8〜10位:知的活動・インドア型
第8位 読書・歴史小説
現役時代に「読みたかったのに時間がなかった」という本が積まれていた方には、定年後こそ読書の真価を発揮できる時間です。
特に歴史小説は定年後男性に根強い人気があり、知識欲を満たしながらゆっくりとした時間を楽しめます。
読書は脳を活性化し、認知症予防にもつながる知的活動として医学的にも評価されています。
電子書籍の普及で重い本を持ち歩く必要もなくなり、外出先でも手軽に読める環境が整っています。
第9位 囲碁・将棋
碁盤と駒さえあれば始められる囲碁・将棋は、頭の体操として定年後男性に長く愛されてきた趣味です。
対局を通じた相手との交流が自然に生まれ、地域の囲碁・将棋サークルや市民センターの教室に参加することで、新しいコミュニティとのつながりも広がります。
読書と同様に脳の活性化が期待できるほか、勝敗という明確なフィードバックが継続のモチベーションにもなります。
最近はスマートフォンアプリでの対戦も楽しめるため、相手を探す必要もなく一人でも気軽に取り組める点も魅力です。
第10位 資格取得・学び直し
「定年後に勉強を始めた」という話を聞くと意外に感じるかもしれませんが、資格取得や学び直しに取り組む男性は着実に増えています。
再就職やシニア起業に役立つ資格(宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士など)から、純粋に興味のある分野を学ぶ大学の公開講座まで、選択肢は幅広くあります。
学ぶことで新たな視野が開け、同じ目標を持つ仲間と出会える点も、学び直しならではの魅力です。
知識やスキルが身につく過程が自信につながり、定年後の自己肯定感の回復に一役買うケースも多く見られます。
出典:
- ソニー生命保険株式会社「シニアの生活意識調査2024」(https://www.sonylife.co.jp/company/news/2024/nr_240905.html)
- 公益財団法人長寿科学振興財団「高齢者に適したウォーキングとは」(https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/shintai-training/koureisha-walking.html)
- 電通総研「シニア×働く調査」(https://markezine.jp/article/detail/22719)
- 厚生労働省「身体活動・運動」(https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b2.html)
充実したセカンドライフを送るための3つのポイント
ランキングで紹介した10の過ごし方を知っても、「どれを選べばいいかわからない」「続けられる自信がない」と感じる方もいるかもしれません。
実は、何を選ぶかよりも、どんな姿勢で取り組むかのほうが、セカンドライフの充実度を大きく左右します。
多くの定年後男性の事例を見ていくと、うまくいっている人たちにはいくつかの共通した考え方があります。
ここでは、特に意識してほしい3つのポイントを解説します。
過去の肩書きを手放し、新しいコミュニティへ
定年後にセカンドライフをうまく歩み出せない男性に多いのが、「元○○部長」「元△△社勤務」という過去の肩書きを無意識に引きずってしまうパターンです。
現役時代の地位や実績は確かに誇るべきものですが、会社の外ではその肩書きは通用しません。
趣味のサークルや地域コミュニティでは全員がフラットな立場であり、そこに元の役職を持ち込もうとすると、かえって周囲との距離が開いてしまいます。
ハーバード大学の研究では、定年後に職場への恋しさを感じる人の多くが惜しんでいるのは「仕事の内容」ではなく「一緒に働いた仲間との人間関係」だと指摘されています。
つまり、求めているのは肩書きではなく、つながりそのものなのです。
新しいコミュニティでゼロから関係を築いていくことは、最初は居心地が悪く感じるかもしれませんが、そこでこそ「肩書きに頼らない本当の自分」が育まれます。
趣味のサークル、ボランティア団体、地域の自治会など、小さな一歩から始めてみてください。
「自分の居場所」は妻のコミュニティとは別に作る
定年後の夫婦関係において、最もよく起こるすれ違いの一つが「夫が妻のコミュニティに依存してしまう」問題です。
妻にはすでに長年かけて作り上げた友人関係や習い事のネットワークがあります。
そこに定年後の夫がついていく形になると、妻側にストレスが生じるだけでなく、夫自身も「居場所を借りている」状態から抜け出せなくなります。
大切なのは、妻とは独立した「自分だけのコミュニティ」を意識的に持つことです。
週に1〜2回でもウォーキング仲間と朝に集まる、囲碁サークルで顔なじみを作る、家庭菜園の隣人と話す。
そういった小さなつながりの積み重ねが、夫婦がお互いの時間を尊重し合えるちょうどいい距離感を生み出します。
定年前から動き出すことが最大の成功法則
セカンドライフで充実している男性に共通しているのが、「定年後に考えよう」ではなく、現役のうちから準備を始めていたという点です。
定年を迎えてから新しいことを始めようとすると、習慣のない生活に飛び込む心理的ハードルが想像以上に高くなります。
しかし定年前から週末にウォーキングを習慣にしていたり、退職後に通いたい講座に一度体験参加していたりすれば、退職の翌日からスムーズに動き出せます。
また、50代のうちから会社以外のコミュニティに顔を出しておくことも非常に有効です。
定年後に人間関係を一から構築しようとすると時間がかかりますが、現役時代から少しずつ関係を育てておけば、退職後もそのつながりが自然に続きます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 定年後にやることがなくて困っています。何から始めればいいですか?
まずはハードルの低いウォーキングから始めることをおすすめします。
道具も費用も不要で、毎朝決まった時間に歩くだけで生活リズムが整い、近所での顔見知りも自然と増えていきます。
「何をするか」を決めるより先に「外に出る習慣」を作ることが、やることを見つける最初の一歩になります。
Q2. 定年後も働き続けるべきでしょうか?
働くこと自体の是非よりも、「なぜ働くか」を明確にすることが重要です。
収入目的であれば再雇用やシニア向けパート、社会参加や生きがい目的であればボランティアや地域活動という選択肢もあります。
働くことが向いている方もいれば、趣味や学びに時間を使うほうが充実する方もいるため、自分の動機を整理してから判断するとよいでしょう。
Q3. 妻との関係がうまくいくか不安です。定年後の夫婦関係で気をつけることは?
最大のポイントは、妻のコミュニティや時間に依存しないことです。
妻にはすでに定年前から作り上げてきた人間関係やルーティンがあります。
夫が自分の居場所を別に持つことで、お互いが干渉しすぎない健全な距離感が生まれ、かえって夫婦の時間が豊かになります。
Q4. 定年後に新しい趣味を始めるのは遅いですか?
遅くはありません。
60代から登山やゴルフ、囲碁を始めて仲間を作っている方は多くいます。
むしろ定年後は時間の制約がなくなるため、現役時代より深く趣味に打ち込める環境が整っています。
「今さら」という気持ちを手放すことが、新しい世界への扉を開く第一歩です。
Q5. 定年後の趣味にかかる費用はどのくらい見ておけばいいですか?
趣味の種類によって大きく異なりますが、ウォーキングや読書・囲碁であれば月数百円〜数千円程度で楽しめます。
ゴルフや旅行は費用がかかりますが、シニア割引の活用や閑散期を選ぶことでコストを抑えられます。
家庭菜園や資格取得は初期投資が必要なものの、長期的に見ればコストパフォーマンスの高い趣味です。
まずは費用のかからないものから始めて、続けられそうなものに少しずつ投資するアプローチが無理のない方法です。
Q6. 定年前に準備しておくべきことはありますか?
大きく3点あります。まず、定年後に通ってみたいサークルや教室に退職前から一度体験参加しておくこと。
次に、会社以外のコミュニティ(地域・趣味・ボランティアなど)に顔を出し始めること。
そして、生活費と年金収入のバランスを把握した上で、必要であれば再就職や資産運用の準備を進めておくことです。
定年後から動き出すより、現役時代の小さな準備が充実したセカンドライフへの最短ルートになります。
まとめ:定年後の過ごし方は「選ぶ」より「動き出す」ことが大切
定年後の男性に人気の過ごし方ランキングTOP10と、充実したセカンドライフを送るための3つのポイントをご紹介してきました。
ウォーキング・登山から資格取得まで、選択肢は実に多彩ですが、最も重要なのはどれか一つを完璧に選ぼうとすることではありません。
まず一つ試してみて、自分に合えば続ける。合わなければ別のものを探す。
そのくり返しの中で、自分だけのセカンドライフが形作られていきます。
肩書きを手放し、妻とは別の自分の居場所を作り、できれば定年前から少しずつ動き出す。
この3つを意識するだけで、定年後の景色はずいぶん変わります。
10万時間という長い時間を、「やることがない」と嘆いて過ごすか、自分らしい充実した日々として積み重ねるかは、今日の小さな一歩にかかっています。
男女総合のランキングや定年後の生活全般については、「定年後の過ごし方ランキング完全版」もあわせてご覧ください。

