定年後の過ごし方ランキング【男性編】やることがない日をなくすTOP10

長年勤め上げた会社を離れた翌朝、「さて、今日は何をしよう」と立ち尽くす。定年を迎えた男性から、よく聞く話です。

65歳からの平均余命はおよそ20年。自由に使える時間は、合計で約10万時間にのぼるといわれています。この時間をどう過ごすかで、セカンドライフの充実度は大きく変わるでしょう。

本記事では、定年後の男性に人気の過ごし方をTOP10形式で紹介します。あわせて、仕事一筋だった男性ほど陥りやすい「やることがない」状態から抜け出す方法もまとめました。

目次

定年後の過ごし方ランキング【男性編】TOP10

順位過ごし方タイプひとことポイント
1位ウォーキング・登山体を動かすコスト不要・健康効果・達成感
2位旅行・温泉巡り体を動かす閑散期を選べる・シニア割引が充実
3位ゴルフ体を動かすスコアという目標・仲間とのつながり
4位再就職・嘱託社会とつながる約7割が定年後も就労・生活リズムが整う
5位ボランティア・地域活動社会とつながる役に立てる実感・健康維持にも効果的
6位家庭菜園社会とつながる毎日のルーティンに・収穫の達成感
7位DIY・ものづくり社会とつながる手を動かす喜び・家族への貢献
8位読書・歴史小説知的活動脳の活性化・認知症予防にも
9位囲碁・将棋知的活動頭の体操・地域コミュニティとのつながり
10位資格取得・学び直し知的活動新しい目標・社会復帰の足がかりにも

【データで見る】調査の上位と、このランキングが違う理由

ランキングを見る前に、知っておいてほしいことがあります。

ソニー生命保険が全国の50〜79歳の男女1,000名に行った「シニアの生活意識調査2025」によると、男性が今楽しんでいることの上位は次のとおりでした。

順位楽しんでいること割合
1位旅行44.2%
2位テレビ・ドラマ33.4%
3位スポーツ29.2%
4位映画27.8%
5位読書24.8%

本記事のTOP10と見比べると、違いに気づくはずです。調査では2位と4位に「テレビ・ドラマ」「映画」が入っているのに、本記事のランキングには入っていません。

これは設問の違いによるものです。調査が聞いているのは「今、楽しんでいること」。実際に多くの時間を使っているのは、こうした受け身の娯楽だというのが現実でしょう。

ただし、テレビや動画は一日の軸にはなりにくいもの。気がついたら夕方だった、という日が続くと、楽しかったはずなのに手応えが残りません。そこで本記事では、「毎日の軸になり、続けるほど生活が整っていく過ごし方」という基準で順位をつけました。調査データとは目的が違う、と考えてください。

テレビ中心の生活から抜け出したい方は、定年後にテレビばかりになる本当の理由と今日から始める脱テレビ習慣の作り方もあわせてご覧ください。

なお同じ調査では、女性の3位は読書(30.4%)でした。男性のスポーツとは傾向が分かれています。女性の過ごし方については定年後の過ごし方ランキング【女性編】にまとめました。

1〜3位|体を動かす・達成感型

第1位:ウォーキング・登山

費用も道具もいらず、今日から始められる。この手軽さが1位の理由です。60〜70代が「久しぶりに再開した運動」としてウォーキングを挙げる割合は、全体の約6割にのぼります。

有酸素運動として、生活習慣病の予防や認知症リスクの低減が期待できる点も見逃せません。1日8,000歩、うち速歩きを20分以上という目安を続けると、加齢による筋肉量の減少(サルコペニア)の予防にもつながるとされています。

慣れてきたら登山へ移行する方も多くいます。山頂に立ったときの達成感は格別で、現役時代に味わった「やり遂げた感覚」を、別の形で取り戻せるでしょう。

第2位:旅行・温泉巡り

ソニー生命の調査でも、男性の44.2%が現在の楽しみとして旅行を挙げており、全体の1位でした。

定年後の旅行には、現役時代にはなかった利点があります。休みが連休やお盆に限られていたのが、閑散期を自由に選べるようになることです。混雑を避けられるうえ、費用も抑えられます。

各鉄道会社や旅行会社はシニア向けの割引を充実させています。年会費数千円の会員制度でも、年に数回使えば十分に元が取れるでしょう。温泉地を巡るスタイルは、健康維持の面からも支持されています。

第3位:ゴルフ

現役時代は接待で嫌々続けていたという方も、定年後は純粋に楽しむゴルフへと変わります。

スコアの改善という明確な目標があり、上達するたびに手応えが得られる。この構造が男性に好まれる理由でしょう。ラウンド中の数時間、自然と会話が生まれるため、人とのつながりを保つ場としても機能します。

年齢による体力差が出にくい競技なので、60代・70代になっても長く続けられます。

4〜7位|社会とつながる・生きがい型

第4位:再就職・嘱託・シニア向け求人

60代男性のうち、約7割が定年後も何らかの形で仕事を続けているという調査結果があります。そのうち半数以上は、元の会社での再雇用を選んでいます。

働き続ける理由は、収入だけではありません。「社会から必要とされている」という実感と、規則正しい生活リズムが保てることが大きいようです。朝起きて出かける先がある、というだけで一日の形が決まります。

近年は、体力や時間に合わせた短時間勤務やアルバイト形式のシニア向け求人も増えてきました。フルタイムでなくとも、無理のない範囲で社会とつながれます。

仕事の探し方については60代におすすめの求人・仕事10選、再雇用の仕組みについては再雇用制度とは?継続雇用との違い・給与の現実・断り方を解説で詳しく解説しています。

第5位:ボランティア・地域活動

「誰かの役に立ちたい」。この気持ちは、仕事を離れた男性がとくに強く感じるものです。

子ども食堂の手伝い、防災訓練の運営、公園の清掃など、身近なところから始められます。厚生労働省も、高齢者の社会参加を続けることが身体的・精神的な生活機能の維持につながると指摘しています。

報酬がないぶん、「役に立てた」という満足感が得やすいのが特徴です。損得を離れた関係だからこそ、長く続く人が多いのでしょう。

始め方は定年後のボランティア完全ガイドにまとめました。

第6位:家庭菜園

土を耕し、種をまき、育てて収穫する。この一連の流れには、仕事の「プロジェクトを進めてゴールに到達する」感覚と似た充実感があります。

収穫したものを家族に食べてもらえる喜びも加わります。初期費用は比較的安く、庭がなくても市民農園を借りれば始められるでしょう。

毎日の水やりや手入れが、生活のルーティンになる点も見逃せません。やることが決まっている時間が一日に一つあるだけで、暮らしは安定します。

第7位:DIY・ものづくり

棚を作る、壁を塗り替える、古い家具を修理する。定年後にこうした作業へ熱中する男性は少なくありません。

手を動かした結果が形に残り、しかもそれが日常生活で使われ続ける。この手応えが魅力です。動画サイトで技術を学べる環境も整っており、50代・60代から始めても十分に上達できます。

家族のために何かを作ることが、家庭内での新しい役割になることもあります。

8〜10位|知的活動・インドア型

第8位:読書・歴史小説

「読みたかったけれど時間がなかった」。そんな本が積まれている方にとって、定年後は読書の真価が発揮される時期です。

とくに歴史小説は、定年後の男性に根強い人気があります。知識欲を満たしながら、ゆっくりした時間を過ごせるのが理由でしょう。読書は脳を活性化させ、認知症予防にも有効とされています。

ソニー生命の調査でも、読書は前年から5.3ポイント上がり、全体で最も伸びた項目でした。電子書籍の普及で、重い本を持ち歩く必要がなくなったことも後押ししているのかもしれません。

第9位:囲碁・将棋

碁盤と駒さえあれば始められ、頭の体操として長く愛されてきた趣味です。

対局を通じて相手との交流が自然に生まれます。囲碁・将棋サークルや市民センターの教室に通えば、新しいコミュニティも広がるでしょう。読書と同じく脳の活性化が期待でき、勝敗という分かりやすい結果が、続けるモチベーションになります。

スマートフォンのアプリでも対戦できるため、相手を探さなくても一人で取り組める点も便利です。

第10位:資格取得・学び直し

資格取得や学び直しに取り組む男性は、着実に増えています。

宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士など、再就職やシニア起業に役立つ資格から、純粋な興味で学ぶ分野まで、選択肢は広がっています。

学ぶことで新しい視野が開け、同じ目標を持つ仲間に出会える。これが学び直しの魅力です。知識やスキルが身についていく過程そのものが自信につながり、定年後に揺らぎがちな自己肯定感を回復させてくれます。

どの資格を選ぶかは定年後に役立つ資格ランキング|取って良かった資格・後悔した資格を参考にしてください。

定年後の男性が直面する「やることがない」問題

仕事一筋だった男性ほど陥りやすい空白の日々

定年を迎えた男性の多くが、「朝起きても、何もやることがない」と口にします。

定年後の生活について具体的なイメージを持てているシニア男性は、2割に満たないという調査結果があります。しかも、仕事に充実感を感じていた人ほど、退職後に無気力な状態へ陥りやすい傾向があるようです。燃え尽き症候群(バーンアウト)の一種とも言われています。

仕事が生活の中心だったからこそ、それがなくなったときに何から手をつければいいか分からなくなる。皮肉な話ですが、現役時代に真面目だった人ほど起きやすい現象です。

居場所・役割・人間関係が一度に消える

仕事がなくなると、失われるのは収入だけではありません。

毎日通っていたオフィス。職場での役職や肩書き。同僚や部下との関係。これらが一度に消えます。単なる「仕事関係」ではなく、男性にとって社会とつながるための居場所そのものだったわけです。

ある調査では、定年後の60代男性でストレスが低い状態を保てている人には、「心地よい居場所を1か所以上確保できている」という共通点があることが分かっています。

問題は「やることがない」という事実だけではありません。「自分の居場所がどこにもない」と感じてしまうことのほうが、はるかに重くのしかかります。だからこそ、定年前から、あるいは定年直後から、自分なりの居場所と生きがいを意識して作っていくことが大切です。

孤独を感じやすい構造については、定年後の孤独|男性が陥りやすい孤立の構造と今からできるつながりの作り方で詳しく扱っています。

充実したセカンドライフを送るための3つのポイント

ポイント1:過去の肩書きを手放し、新しいコミュニティへ

定年後にうまく歩み出せない男性に多いのが、「元○○部長」「元△△社勤務」という過去の肩書きを、無意識に引きずってしまうパターンです。

現役時代の地位や実績は誇るべきもの。けれども会社の外では、その肩書きは通用しません。趣味のサークルや地域のコミュニティでは、メンバーは全員フラットな立場です。そこに元の役職を持ち込もうとすると、かえって距離が開いてしまいます。

ハーバード大学の研究では、定年後に職場を恋しく感じる人の多くが惜しんでいるのは、仕事の内容ではなく一緒に働いた仲間との人間関係だと指摘されています。つまり、本当に求めているのは肩書きではなく、つながりそのものなのでしょう。

新しいコミュニティでゼロから関係を築くのは、最初は居心地が悪いかもしれません。それでも、そこでこそ「肩書きに頼らない自分」が育っていきます。

ポイント2:自分の居場所は、妻のコミュニティとは別に作る

定年後の夫婦で最もよく起こるすれ違いが、夫が妻のコミュニティに入り込んでしまう問題です。

妻には、長年かけて築いてきた友人関係や習い事のネットワークがあります。そこへ夫がついていく形になると、妻側にストレスが生じるだけでなく、夫自身も「居場所を借りている」状態から抜け出せません。

先ほど触れた調査が示すとおり、ストレスの低いシニア男性に共通するのは、仕事以外の居場所を自分で1か所以上持っていることでした。

大切なのは、妻とは独立した自分だけのコミュニティを意識して持つこと。週に1〜2回のウォーキング仲間、囲碁サークル、家庭菜園で顔を合わせる隣の区画の人。小さなつながりの積み重ねが、夫婦がお互いの時間を尊重できる距離感を生みます。

夫婦の時間の使い方については、定年後の夫婦問題|よくある5パターンと対処法の選び方もあわせてどうぞ。

ポイント3:定年前から動き出すことが最大の成功法則

セカンドライフが充実している男性に共通しているのは、「定年後に考えよう」ではなく、現役のうちから準備を始めていたという点です。

定年を迎えてから新しいことを始めようとすると、習慣のない生活に飛び込むことになり、心理的なハードルが想像以上に高くなります。けれども定年前から週末にウォーキングを習慣にしていたり、退職後に通いたい講座へ事前に体験参加していたりすれば、翌日からそのまま動き出せるでしょう。

50代のうちから会社以外のコミュニティに顔を出しておくことも有効です。定年後に人間関係を一から築こうとすると時間がかかりますが、現役時代から少しずつ育てておけば、退職後も自然に続いていきます。

「定年前から動き出した人」と「定年後から考え始めた人」では、スタートダッシュに大きな差が生まれます。いつか始めよう、ではありません。今日から少しずつ動き出すことが、充実したセカンドライフへの最短ルートです。

よくある質問

Q1. 定年後にやることがなくて困っています。何から始めればいいですか?

まずはウォーキングをおすすめします。道具も費用もいらず、毎朝決まった時間に歩くだけで生活リズムが整い、近所で顔見知りも自然に増えていくからです。「何をするか」を決める前に「外に出る習慣」を作ることが、やることを見つける最初の一歩になります。

Q2. 定年後も働き続けるべきでしょうか?

働くこと自体の是非よりも、「なぜ働くのか」を自分の中ではっきりさせることが先です。収入が目的なら再雇用やシニア向けのパート、社会参加や生きがいが目的ならボランティアや地域活動という道もあります。働くことが合う方もいれば、趣味や学びに時間を使うほうが充実する方もいるので、動機を整理してから判断してください。

Q3. 妻との関係がうまくいくか不安です。気をつけることは?

最大のポイントは、妻のコミュニティや時間に依存しないことです。妻には定年前から築いてきた人間関係やルーティンがあります。夫が自分の居場所を別に持つことで、お互いが干渉しすぎない距離感が生まれ、かえって夫婦の時間が豊かになるでしょう。

Q4. 定年後に新しい趣味を始めるのは遅いですか?

遅くありません。60代から登山やゴルフ、囲碁を始めて仲間を作っている方は大勢います。むしろ定年後は時間の制約がなくなるぶん、現役時代より深く打ち込める環境が整っているといえます。「今さら」という気持ちを手放すことが、最初の一歩です。

Q5. 定年後の趣味にかかる費用はどのくらい見ておけばいいですか?

種類によって大きく異なります。ウォーキング、読書、囲碁なら月に数百円から数千円程度。ゴルフや旅行は費用がかかりますが、シニア割引や閑散期の活用で抑えられます。家庭菜園や資格取得は初期投資が必要なものの、長い目で見ればコストパフォーマンスは高いでしょう。まずは費用のかからないものから始めて、続けられそうなものに少しずつ投資していく。この順番が無理のない方法です。

Q6. 定年前に準備しておくべきことはありますか?

大きく3つあります。1つ目は、定年後に通ってみたいサークルや教室へ、退職前に一度体験参加しておくこと。2つ目は、会社以外のコミュニティ(地域・趣味・ボランティア)に顔を出し始めること。3つ目は、生活費と年金収入のバランスを把握し、必要であれば再就職や資産運用の準備を進めておくことです。

お金の面の準備は、老後の生活設計の進め方にまとめています。

まとめ

定年後の男性に人気の過ごし方TOP10と、充実したセカンドライフを送るための3つのポイントを紹介してきました。

ウォーキングから資格取得まで選択肢は多彩ですが、最も大切なのは、どれか一つを完璧に選ぼうとしないことです。一つ試してみて、合えば続け、合わなければ別のものを探す。このプロセスそのものが、定年後の時間の使い方になっていきます。

肩書きを手放すこと。妻とは別の、自分の居場所を作ること。できれば定年前から少しずつ動き出すこと。この3つが鍵になります。

10万時間という長い時間を「やることがない」と嘆いて過ごすか、自分らしい日々として積み重ねていくか。その分かれ目は、今日の小さな一歩にあります。

定年後の過ごし方全般については、定年後の過ごし方【完全ガイド】もあわせてご覧ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次