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定年後も看護師として働き続けるには?制度・働き方・収入を徹底解説

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定年が近づいてきたとき、
「このまま看護師を続けられるのだろうか」
「収入はどのくらい変わるのだろうか」
と不安を感じる方は少なくありません。

長年にわたって培ってきた経験とスキルを持つ看護師にとって、定年はキャリアの終わりではなく、新たな働き方を選ぶ転換点です。

本記事では、定年後の看護師が知っておくべき制度の基本から、具体的な働き方の選択肢、収入の変化まで、わかりやすく解説します。

目次

定年後の看護師が知っておくべき制度の基本

看護師の定年は何歳?職場による違いを解説

看護師の定年年齢は、勤務する医療機関や施設によって異なります。
多くの病院では60歳を定年としているケースが一般的ですが、近年は65歳定年を採用する職場も増えており、一律に「何歳で定年」とは言い切れないのが現状です。

国公立の病院に勤務する看護師は公務員に準じた扱いとなるため、定年は原則60歳(一部65歳への引き上げが進む機関もあります)となっています。
一方、民間の病院やクリニック、介護施設では就業規則によって定年年齢が異なるため、自分の職場の規定を事前に確認しておくことが大切です。

また、定年制を設けていない施設も存在しており、高齢になっても継続して勤務できる環境が整っているケースもあります。

高年齢者雇用安定法が変えた「働き続ける権利」

定年後の働き方を考える上で、高年齢者雇用安定法の理解は欠かせません。

2025年4月に高年齢者雇用安定法が改正され、65歳までの雇用確保が完全に義務化されました。
これにより、定年を60歳に設定している職場であっても、希望者全員の65歳までの継続雇用制度の導入、65歳までの定年の引き上げ、定年制の廃止のいずれかの措置を講じることが義務付けられています。

看護師として働く皆さんにとって、これは「希望すれば65歳まで現在の職場で働き続けることができる」ことを意味します。
さらに、70歳までの就業機会確保については、雇用の延長や業務委託契約など複数の手段を通じた確保が事業主の努力義務とされています。

制度の整備が進む中、定年後も看護師として長く活躍できる環境は確実に広がっています。
詳細な制度内容については、厚生労働省の公式サイトで最新情報をご確認ください。

定年後の看護師に選べる3つの働き方

定年を迎えた看護師には、大きく分けて3つの働き方の選択肢があります。
それぞれに特徴や注意点があるため、自分の体力・収入・ライフスタイルの希望をもとに最適な道を選ぶことが重要です。

現在の職場で継続雇用制度を利用する

定年後の選択肢として最も多くの看護師が活用しているのが、現在の職場での継続雇用制度です。

継続雇用には「勤務延長制度」と「再雇用制度」の2種類があり、前者は退職扱いにならずに雇用を継続する形、後者は退職後に改めて契約を結び直す形をとります。
長年勤めた慣れ親しんだ職場でそのまま働き続けられるため、環境的なストレスが少ないのが最大のメリットです。
定年後は体力的に楽な業務へ転換したり、後輩の指導・育成に専属したりと、病院によって60歳以降の働き方が整備されていることがあります。

ただし、再雇用後はパートや契約社員として働く場合が多く、給料が下がるケースがほとんどです。
雇用形態の変化による収入減は避けにくいため、事前に職場の継続雇用条件をしっかり確認しておくことをおすすめします。

新しい職場へ転職・再就職する

定年を機に新たな職場への転職を選ぶ看護師も増えています。
看護師不足といわれている今、ベテランの中高年の看護師や経験豊富なシニア看護師が歓迎され、働く場所を選べば就職先に困ることはありません。

転職のメリットは、自分の希望する働き方・勤務時間・職場環境を改めて選べる点にあります。
夜勤をなくしたい、通勤時間を短くしたいといった具体的な条件で職場を探し直すことができるのは、定年という節目ならではのチャンスといえるでしょう。

一方で、転職すると上司が自分より若い可能性があり、これまでチームをまとめる立場だった人はやりづらいと感じてしまう可能性もあります。
新しい環境への適応力を意識しながら、柔軟な姿勢で臨むことが転職成功の鍵となります。

派遣・パートで柔軟に働く

体力や家庭の事情に合わせて働きたい方には、派遣やパートという形態が適しています。
勤務日数や時間を自分でコントロールしやすく、無理のないペースで看護師としてのスキルを活かし続けることができます。

求人内容はバラエティに富み、フルタイムの仕事も、勤務日数や時間を限定したパート・アルバイトもあり、さまざまなスタイルの働き方が選べます。
健診センターの短期・単発求人や、週2〜3日のクリニック勤務など、ライフスタイルに合わせた選択肢が豊富に用意されている点も、派遣・パート形態の大きな魅力です。

定年後の働き方として、まずは派遣やパートで複数の職場を経験し、自分に合った環境を見極めるというアプローチも有効です。

定年後に働きやすいおすすめの職場

定年後の看護師にとって、職場選びは「体力的な無理のなさ」と「経験を活かせるか」の2点が最も重要なポイントです。

定年の60歳を超えると、病院で働く看護師は約6割にまで減少する一方、訪問看護ステーションや介護施設、教育機関で働く看護師が増えていることがデータで明らかになっています。

ここでは、定年後の看護師に特におすすめしたい職場を3つに絞って解説します。

クリニック・健診センター

クリニックは大規模病院と比較して業務負担が軽減される傾向があり、体力面での不安を抱える定年後の看護師にとって働きやすい環境といえます。
夜勤がない場合が多く、日勤のみの勤務形態を希望する高齢看護師の受け皿となっています。
診療補助や患者対応が中心となるため、急性期病院のような緊張感の高い業務は少なく、規則的なペースで働けるのが魅力です。
内科・眼科・皮膚科などの外来中心のクリニックであれば、特に体力的な負担を抑えた働き方が実現しやすいでしょう。

健診センターも定年後の選択肢として人気があります。
業務内容は採血・身長体重測定・心電図など一般的な健康診断から、内視鏡介助やMRI補助といった人間ドックの業務まで幅広く、繁忙期のみや1日から就業できる求人もあります。
時給はクリニックより低めになる場合がありますが、「週に数日だけ働きたい」という方には非常に使いやすい職場です。

介護施設・訪問看護

介護施設は、定年後の看護師が長く活躍できる場として注目度が高まっています。

介護施設では急患対応が基本的になく、病院に比べて看護業務の予定を立てやすいため、利用者さんにじっくり向き合った看護を提供できる施設が多くあります。
デイサービスやデイケアといった通所型施設であれば日勤のみで働けるため、生活リズムを整えながら無理なく続けられます。

訪問看護は、これまでの豊富な臨床経験を最大限に活かせる職場です。
パート勤務の場合は自分が希望する日数・時間で仕事ができ残業も少ないことから、定年後の看護師の再就職先として最適とされています。
一人で判断・行動する場面が多いため責任感も必要ですが、ベテラン看護師の知識と経験が高く評価される職場でもあります。

企業内・保育園・学校の看護師

病院や介護施設とはまた異なる環境で働きたい方には、企業の産業看護師や保育園・学校の看護師という選択肢もあります。

産業看護師は従業員の健康管理や保健指導が主な業務であり、医療処置の頻度が少なく体力的な負担を抑えられます。
産業看護師や保育園の看護師は福利厚生の充実度や土日の休みやすさで人気が高い一方、採用倍率が高い傾向にあるため、早めの情報収集と準備が重要です。

学校の養護教諭補助や保育園看護師も、子どもたちの日々の健康を支えるやりがいのある仕事です。
急患対応は少なく規則的な勤務が基本のため、定年後の安定した働き方を求める方にとって魅力的な選択肢となっています。

気になる収入の変化と年金との関係

定年後の働き方を選ぶ際、多くの看護師が最も気になるのが収入の変化です。
再雇用や転職後の給与がどのくらいになるのか、また年金との関係はどうなるのかを事前に把握しておくことで、将来の生活設計が格段に立てやすくなります。

再雇用後の収入はどのくらい下がる?

定年後に再雇用制度を利用した場合、現役時代と比べて収入が下がることは避けにくい現実です。
独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によると、60歳直前の給与を100とした場合、61歳時点の給与水準は平均78.7に下がると発表されており、再雇用後は約20%収入が下がる計算になります。

これは看護師に限らず、再雇用制度全般に見られる傾向です。
収入が下がる背景には、再雇用後は「無期・正社員」から「有期・嘱託等」へと雇用形態が変わり、業務責任の範囲や処遇制度の設計そのものが変化することが影響しています。

なお、給与が大きく下がった場合には「高年齢雇用継続基本給付金」という支援制度があります。
これは「60歳以上65歳未満」「雇用保険の被保険者期間が5年以上」「60歳以降の給与が60歳時点の75%未満」の3条件を満たした場合に、給与額の最大15%が支給される給付金です。

ただし、2025年度に60歳に到達する人から支給率の上限が10%に縮小され、以降段階的に廃止される予定となっています。
制度の変化が続いているため、詳細はハローワークや社会保険労務士にご確認いただくことをおすすめします。

在職老齢年金に注意が必要なケース

65歳以降に年金を受け取りながら働く場合、「在職老齢年金制度」への理解が欠かせません。

在職老齢年金制度とは、働きながら老齢厚生年金を受け取る方の賃金と年金の合計が一定の基準額を超える場合に、超えた額の半分の老齢厚生年金が支給停止される仕組みです。

なお、老齢基礎年金は調整の対象にはなりません。基準額については直近で重要な改正があり、2025年度の基準額は月51万円でしたが、2026年4月からは月65万円に引き上げられました。
これにより、働きながら老齢厚生年金をこれまでより多く受け取れる方が増えています。

看護師の場合、パートや派遣として週数日勤務するケースでは収入が比較的抑えられるため、年金が支給停止となる可能性は低くなります。
一方、フルタイムに近い形で再就職した場合は、賃金と年金の合計額を事前に試算しておくことが大切です。

年金額や支給停止に関する詳細な計算方法については、最寄りの年金事務所や日本年金機構の公式サイトでご確認ください。

定年後も活躍し続けるために今からできること

定年後の働き方は、定年を迎えてから考え始めるのでは遅いケースもあります。
定年後の働き方について早い段階で意識し、必要な資格取得やキャリアチェンジを進めておくことが大切です。
今の仕事を続けながら、少しずつ準備を積み重ねることが、定年後の選択肢を広げることに直結します。

まず取り組みたいのが、自分の「強み」を棚卸しすることです。

長年の看護師経験で培った専門分野・得意な処置・関わってきた患者層などを改めて整理することで、定年後に活かせるスキルが明確になります。
その上で、定年後に就きたい職場や働き方に合わせた追加資格の取得を検討するとよいでしょう。

2025年以降に需要が高まる資格の特徴として、訪問看護認定看護師やケアマネージャーなど、地域医療や在宅医療分野での活用が期待される資格が挙げられており、高齢化社会に対応する能力が求められています。
介護施設や訪問看護への転職を視野に入れている方は、ケアマネージャー資格の取得が特に有効な選択肢となります。

また、人付き合いのネットワークが再就職を有利に進める場合があります。
違う職場の方とのネットワークをもっていれば、定年後に再就職の相談ができるのです。
職場内の人間関係だけでなく、研修や学会を通じた他施設の看護師との横のつながりを大切にしておくことも、定年後の選択肢を広げる上で重要です。

定年はまだ先のことと感じていても、50代のうちから情報収集を始め、自分らしい「第二のキャリア」を描いておくことが、充実した定年後の働き方を実現する近道となります。

よくある質問(FAQ)

Q1. 定年後も看護師免許は有効ですか?

定年を迎えて職場を退職しても、看護師免許を返納する必要はありません。
年齢が高くなっても適性検査や再試験などを受ける必要はなく、看護師免許を保持していれば生涯にわたって看護師として活躍することができます。

つまり、定年はあくまで特定の職場との雇用契約の終了であり、看護師という資格そのものは生涯有効です。
定年後も意欲と体力がある限り、免許を活かして働き続けることが可能です。

Q2. 定年後に看護師として再就職する際、年齢制限はありますか?

介護施設や個人経営のクリニック、短時間勤務のパートタイマーの募集などは「定年後の再就職も歓迎」としているケースが多い傾向にあります。
また、雇用対策法上、求人における年齢差別は原則禁止されており、多くの求人は年齢制限なしで募集されています。
看護師は慢性的な人手不足が続く職種であるため、経験豊富なシニア看護師への需要は高く、再就職先に困ることは少ないといえるでしょう。

Q3. 定年後は夜勤をしなくてもよいですか?

定年後の働き方は本人の希望と職場の条件によって異なりますが、再雇用制度を活用して嘱託職員として週3日勤務するといった形で、夜勤を外してもらいながら日勤のみで働き続けているケースも多く見られます。

クリニックやデイサービス、健診センターなど、そもそも夜勤のない職場を選ぶことで、無理なく体力を温存しながら働くことができます。

転職・再就職の際に「夜勤なし」を条件として求人を絞り込むことも有効な方法です。

Q4. 定年後の看護師求人はどのように探せばよいですか?

知人からの紹介を受けたり、転職サイトで求人を検索したりする方法があります。

また、客観的なアドバイスをもとに効率的な転職活動を行いたい方は、転職エージェントへの登録もおすすめです。

看護師専門の転職サイトでは「60代歓迎」「定年後再就職歓迎」といった絞り込み検索ができるものもあります。
ハローワークも無料で利用できる公的機関として活用しやすく、シニア向けの就職支援サービスも充実しています。

Q5. 定年後も働きながら年金を受け取ることはできますか?

65歳以降は働きながら年金を受け取ることが可能ですが、前述の在職老齢年金制度に注意が必要です。

2026年4月からは基準額が月65万円に引き上げられたため、パートや週数日勤務の形態であれば年金が支給停止となるケースは少なくなっています。

ご自身の収入と年金額の合計がこの基準額を超えるかどうかを事前に試算しておくと、より安心して働き方を決めることができます。詳細は最寄りの年金事務所にご相談ください。

まとめ

定年は看護師としてのキャリアを終わらせるものではなく、新たな働き方を選ぶ出発点です。
高年齢者雇用安定法の整備により65歳までの継続雇用が義務化され、看護師が定年後も働き続けられる環境は確実に広がっています。

現在の職場での継続雇用・新しい職場への転職・派遣やパートという3つの選択肢はそれぞれに特徴があり、自分の体力・収入・ライフスタイルの希望に合わせて選ぶことが大切です。
クリニックや介護施設・訪問看護・企業内看護師など、定年後に活躍できる職場は多岐にわたります。

収入面では再雇用後に約20%の低下が見込まれるものの、高年齢雇用継続基本給付金の活用や在職老齢年金制度の基準額引き上げにより、働きながら収入と年金を両立しやすい環境が整ってきています。

定年後の充実した働き方を実現するためには、50代のうちからキャリアの棚卸しや情報収集を始めることが最も重要です。
看護師専門の転職サイトやハローワーク、転職エージェントなどを活用しながら、自分らしい第二のキャリアを早めに描いておきましょう。
長年積み重ねてきた経験とスキルは、定年後もきっと多くの現場で必要とされます。

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